【Israel Tech Trends】日本上陸を果たす、イスラエル企業6社 - ElliQ, Innovid, Zeex SodaStream, Cheq, SCADAfence
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増加の一途をたどる日本とイスラエル企業の連携
“中東のシリコンバレー”と呼ばれ、世界から注目を集めるイスラエル。現在、300以上の多国籍企業が拠点を持ち、2018年の対内直接投資総額は218億300万ドルと5年前の水準の約2倍に急増しており、中東主要国の中で第1位となっている。JETROの調査によると、日本からのイスラエル進出企業数は2016年は60社、2017年には70社を超え、日本のイスラエル向け対外直接投資額も1,299億円と前年比5.9倍となった。
日本市場に対するイスラエルのニーズ
イスラエルにとって、日本市場はどのように映るのだろうか。まずイスラエルには先進的製造業を生み出す技術や能力があるが、自国の市場が小規模であるため、設立当初よりグローバル志向が強い企業が多い。そうした中、日本市場は人口とGDPがイスラエルの14倍であり、イスラエル企業にとって魅力的であると言えるだろう。また近年、両国政府による経済交流施策を背景に、日本とイスラエルのパートナーシップはますます強まっている。2014年のネタニヤフ首相の来日と2015年に安倍首相のイスラエル訪問以降、両国政府は民間も巻き込んだ経済交流施策を行っている。特に2019年1月に行われた「JIIN日本・イスラエルフェスティバル」では、約100社の日本企業がイスラエルを訪れた。一方で日本でもイスラエル関連のイベントは年々増えており、そうしたイベントに参加するために日本を訪れるイスラエル企業も増えてきている。また9月には直行チャーター便が計4便イスラエル〜日本間で運行し、2020年には成田空港からイスラエルまでの直行便も就航予定であり、今後一層イスラエルとのビジネスは加速していくだろう。
今回、日本市場に参入、あるいは参入予定のイスラエル企業を6社紹介する。
1. 高齢者向けコンパニオンロボット「ElliQ」
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Intuition Roboticsは2016年に設立されたスタートアップ。同社のElliQは専用タブレットと併用する対話ロボットであり、高齢者が簡単に友達や家族、そして世の中とコミュニケーションを取れるようにすることを目標としている。TechCrunch Japan の取材によると、2019年には日本市場に参入し、2020年には日本向けにローカライズされたElliQの発売を目指している。 同社CEOのDor Skuler氏は「私たちの投資家の多くは日本人だ。これは偶然ではない。設立当初から日本でのパートナーを探していた。日本参入が私たちにとって大きなチャンスであるのは明らかだ。プロダクトも間もなく完成するし、そろそろ日本向けのローカライズを考えるべき時期になってきた」と述べている。実際、2017年にはトヨタの子会社であり、米国で人工知能等の研究開発を行うToyota Research Institute Inc.などから約16億円の資金調達を行なったことも発表している。
2. 動画広告プラットフォーム「Innovid」
Innovidは2007年に設立された動画広告プラットフォーム。モバイル、デスクトップ、コネクテッドTV、ストリーミングデバイス、ソーシャルプラットフォームをまたいだ動画広告の配信数は業界一を誇っている。現在オフィスは全世界に10か所あり、2019年には、事業の本格化に伴う東京オフィスを開設した。CEOで共同創設者のZvika Netter氏は「これまで同社はAPACにおけるプレゼンス拡大に対し、重点的に力を注いできたが、ようやく日本市場でグローバル、ローカルを問わず、新しいユーザーを迎える準備が整った。今後は、新しく迎えたリージョナルディレクターとともに、日本市場での事業を最善の形で展開していきたい。」と述べている。
3. ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨決済「Zeex」
イスラエルを拠点とするZeexは、仮想通貨を電子ギフトカードにシームレスに交換することで、仮想通貨を日々の消費活動の決済に幅広く使えるソリューションの準備を進めている。同社は日本市場参入を検討するため、2018年9月に日系フィンテック企業TORANOTEC株式会社との協業を開始した。日本市場において、仮想通貨やポイントなどのロイヤリティプログラムを長期的な資産形成や投資の世界に結びつけるソリューションの開発を開始している。
清涼飲料水メーカー「SodaStream」
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SodaStream Internationalは世界ナンバーワンの炭酸水ブランド。2018年8月にはPepsiCoが、同社を約3558億円で買収したことでも注目を浴びた。同社は日本市場拡大に力を入れており、2018年9月には、日本限定製品の販売や、芸能人を起用したプロモーション戦略も行っている。2019年には公式アンバサダーを一般募集するなど、日本ならではの広報戦略も行っている。
4. オンライン広告の効率性と安全性を確保する「Cheq」
Cheqは、広告主がデジタル広告を配信すべきでないコンテンツを独自のAI技術によりリアルタイムに分析し、配信をコントロールする仕組みを提供している。現在日本にもオフィスがあり、2019年末までにはすべてのプラットフォームとの統合を完了し、2020年には日本で圧倒的な市場シェアを目指している。
5. 産業サイバーセキュリティソリューション「SCADAfence」
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イスラエルのSCADAfenceは産業システム分野のネットワークにおけるセキュリティ対策を行う。2018年にはグローバル・ブレイン、三井不動産株式会社と共に、SCADAfenceの日本市場への本格的参入を目指し、日本事務所を開設した。CEO のエルアド ベン・メイル氏は、「製造業の自動化や、スマートシティの分野において、世界の最先端を行く国家のひとつである日本は、同社にとって最も戦略的かつ注力すべき市場であると認識している。」と述べている。
【引用文献】
https://www.exchangewire.jp/2019/08/20/interview-innovid-video-ad/
https://r-login.wordpress.com/remote-login.php?action=auth&host=jp.techcrunch.com&id=47189721&back=https%3A%2F%2Fjp.techcrunch.com%2F2018%2F12%2F03%2Felliq%2F&h=
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000023255.html
https://moneyzine.jp/article/detail/215456
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000018349.html
https://www.excite.co.jp/news/article/Scannetsecurity_42132/
https://svs100.com/cheq/
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/02/e5258cfa31a69cbf.html
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/gtir/2018/52.pdf
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