イスラエル自動車技術産業の現在と未来:後編
自動車産業の危機と、新たな飛躍
イスラエルの自動車・ハイテク産業は、2020年半ばに底を打った後、現在は飛躍の段階にある。
自動車分野スタートアップ企業の中にはすでに上場している企業も少なくないが、資本市場では期待通りの成功を収めることができておらず、株価の数十%を失っている企業もいる。
ところが、昨年すでに自分のキャリアの「次の章」を計画していた自動車業界のプレイヤー、起業家、経営者たちが、COVID19以降の多くの技術分野で特徴的に見られる金融バブルにより、一夜にして、実際に、あるいは紙面上で、億万長者になったのだ。前述したように、自動車業界の他の企業は、まだ大きな収入を計上していないものもあるにもかかわらず、2017年の時点でも想像上とされていた評価額に基づいたディールが完了するのを待っている段階だ。
イスラエル自動車技術産業の今後
現在の金融バブルが縮小あるいは爆発した場合に、イスラエルの自動車技術産業がどうなるのかが今後の大きな問題となる。
その答えは、いくつかの外的要因に左右される。
1つには、国際的な規制があげられる。例えば、国連は、すべての自動車メーカーに対し、自律走行車に限らず、未来の自動車には外部からの攻撃に対する対策やプライバシー情報に対する保護機能を搭載するよう指示している。このような規制により、サイバーセキュリティ市場など、より大きな市場が生まれる可能性がある。一方で、規制によってスタートアップ企業のビジネスモデルが一夜にして消滅することも考えられる。例えば最近では、中国政府が、自動車メーカーに対し、データの使用を制限しはじめた。もし世界の他の国が同様の規制を導入すれば、モービルアイをはじめとするイスラエルの一部の企業は、軌道修正をしなければならなくなるだろう。
もう一つの要因として、Tesla社があげられる。同社は何年にもわたって完全自動運転を推進しており、近いうちに手頃な価格で購入できることを保証している。
今のところ、この発言の根拠は見当たらないが、Teslaやこの分野で活動する他社の株に「魔法の粉」を振りかけるには十分だ。もしテスラが一歩後退すれば、業界のすべての価格設定に悪影響を及ぼす可能性もあるだろう。
肝心なことは、自動車業界の市場は、多くの人が何年も前から期待しているほど大きくはなっていないという点である。
今後の自動車産業も、今までと同様に波乱に満ちたものになるだろう。
【イスラエル自動車技術産業の現在と未来:前編】はこちら
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