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イスラエル現地へ送り出すのに適任なのはどんな人?


イスラエルとのビジネスに注目が集まっている現在の状況を考えると、今後より多くの日系企業がイスラエルへ進出し、日本人社員を赴任させるケースが増えていくだろう。

その流れのなかで、いまこうしてブログに綴っている私の経験がビジネスシーンでの衝突緩和に役立ち、この動き自体を活性化することにつながればこの上ない喜びである。

そこで、今日は現地に赴任させる日本人社員はどんな人物が好ましいかについて書いてみることにした。

もちろんこれには正解はなく、私自身が試行錯誤した経験を踏まえ、「こういう人なら円滑に仕事を進められる」と思うポイントの紹介である。

(1) 英語・ロシア語でコミュニケーションできる

これは必須だと思う。しかもネイティブに近いレベルが望ましい。

以前のブログでも書いたがイスラエル人はとにかく議論が好きである。ときにはミーティングもさながら動物園と化す。発言できないと、平気で「もう出るな」と言われてしまう。

また、エンジニアの2割~3割がロシア語を話し、旧ソ国へアウトソースしていることも多いため、意外とロシア語ができると重宝される。前職でもロシア人エンジニア(日本語と英語も堪能)が何度かバイバーに来ていたが、彼はとても現場に溶け込んでいた。

(2) 明確な役割を持っている

無駄を嫌うイスラエルのスタートアップでは、明確な役割のない人が会社にいるのを非常に嫌う。

”日本側との調整役”的なものが、彼らには理解できないのである。

以前書いたとおり私もバイバーに入る際、当初はCOOやCSOとしてという話であったが、CEOのタルモンがそんな不明確なポジションはいらないとキッパリと断ってきた(あれだけ仲が良くてもだ)。

不明確なポジションの人間がいると周りへの見え方も悪いし敵を作るだけだという理由からだった。結局私はそれまでの職歴を踏まえ、ジェネラルカウンセル(最高法務責任者)のポジションで経営に参画した。

初めはあまり気乗りしなかったが、後々になってこれは正解だったと悟った。何をやるにしてもリーガルチェックは必要なので、全部署の末端から経営陣まで深く接する機会に恵まれ、頼りにされるようになった。そしてリーガルでNo!と言えるため、あらゆることにコントロールを利かせることができる。

その意味では、もし適切なスキルの人材がいるならば、現地にジェネラルカウンセルやCFOという立場で赴任させるというのは良い選択肢かもしれない。

(3)自己主張をおそれないあつかましさ

大人しく黙っていると、すべてがどんどん進んでいく。だれも気を遣わないため遠慮は禁物だ。

きちんと主張する勇気を持ち、自分の言葉で語ることが重要である。

過去にもっとも衝突が多かったのが、「会社側が、日本の経営陣が~と言ってるから」というセリフに対するものだ。これを口にしようものならすぐに“No, What do YOU think?”と切り返されるだろう。

言い出すときりがないが、私なりに過去を振り返り、これらが現地に送り出す人材には必要な要素だと思っている。

さて、ここ数回はイスラエルと日本のビジネスカルチャーの違いについて書いてきた。しかし改めて見返すと、これは何もイスラエルに限らず世界中のスタートアップと接する際に、多少なりともは感じる違いではないかとも思う。

単に日本のビジネスカルチャーが異質なだけ、ともいえる。

とは言え、私も数十か国の人たちとビジネスをしてきた上で、日本のビジネスカルチャーと一番かけ離れていると感じたのは、やはりイスラエルだ(もう一つあげるとしたらインドだろうか)。それだけやはり一筋縄ではいかないということである。

なんだかんだ言っても一番大事なのは、「打たれ強くくじけないハート」なのかもしれない。


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